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 ▼ 『パソコンで使う記憶メディアの役割』
 
パソコンを購入する際に指標となるのが、仕様です。
仕様を見ると、いろいろな種類の数字が書いてあり、混乱してしまうこともあるかと思います。
そこで、今回は、基本に立ち戻ってパソコンには、どんな種類の記憶メディアが使われているかということをまとめていきます。

パソコンには、いくつもの情報を記憶している場所があります。それらには、
電源を切ると消えてしまうもの、読み書き速度がとても速いものなどの、特徴があります。
それぞれの記憶場所の特性について、よく知ることによって、購入時のみならず、お使いのパソコンのバランスの取れたアップグレードが可能になります。また、もちろんご購入の際にも指標になります。

  1. メモリ

    パソコン上のもっとも基本的な記憶部品で、シリコンのチップ上に電気的に情報を書き込みます。
    電気的に情報を書き込むので、電源を落とすと消えてしまうという特徴があります。
    厳密に言うとこれは、メモリは記憶「メディア」ではないのですが、パソコンの性能を比べる際の大きな指標になります。
    データの読み書きが非常に高速なため、ソフトを動作させているのは、すべてメモリの上です。何らかのソフトをご使用の際には、パソコンをソフトを必ずHDDから、このメモリに読み込んだ上で実行しています。
    皆さんが見ているこの画面も、Webの画面も、メモリの上に書き出されたものなのです。
    ご使用のソフトによって、必要なメモリは大きく異なるのですが、近年では、数十メガバイト(情報量の単位)の容量を使うものも珍しくありません。
    ですので、多くのプログラムを同時に使用するには、より多くのメモリを必要とします。

    ノートPC背面のメモリスロットの位置

    メモリスロットに2つ空きがあることがわかる。


  2. FDD (Floppy Disk Drive)

    プラスチック製の円盤に、磁気で情報を書き込みます。
    一般的に、1.2MBと、1.4MBの両方の書き込み形式(フォーマット)のFloppyが存在します。そのうち、昨今では、1.4MBのFloppyのみが主に使用されます。
    仕様書のFDDの欄に3モード対応と書いてあったら、この1.2MBのフロッピーディスクにも対応しているということなのです。
    ただし、今ではほとんど皆無です。PC-9801というNECのパソコンの標準フォーマットでした。
    パソコンから取り外すことができ、持ち運ぶこともできるので、簡単なデータの受け渡しによく使用されました。
    近年では、その役割はCD-Rに代表される光学メディアに取って代わられています。

  3. HDD (Hard Disk Drive)

    ハードディスクです。
    基本原理はフロッピーディスクに近いものですが、密閉された金属板に情報を読み書きすることによって、より高密度の情報を書き込むことが可能になっています。
    一般的な3.5インチフロッピーディスクの容量は、1.4メガバイトですが、近年のHDDでは、3.5インチの円盤(プラッター)一枚で、約100ギガバイト(=100,0000メガバイト)もの情報を書き込むことができるものもあります。
    実に、フロッピー約70万枚分ものデータを書き込むことができるのです。
    大容量の情報を高速に読み書きすることができるので、ユーザーのデータの保存、パソコンのプログラムのファイル等は、すべてこのHDDに記憶されています。パソコンは、何らかのソフトを使うとき、適時このHDDから、必要な分をメモリにコピーして実行しています。
    「インストール」されたソフトは、すべて、このHDDにコピー(インストール)されています。

    ノートPCのキーボードの下側を開いたところ。2.5インチハードディスクが入っていることがわかる。
    現在ノートPC用のHDDとして主に使われている 2.5インチハードディスクドライブ。 最近では、1.8インチや、1インチのものも使われている。
    2.5インチハードディスクの内部。
    金属製のディスクと読み書きをしているヘッドが見える。

  4. まとめ

      読み書き速度 容量 特徴
    メモリ 大変速い 大きい(128MB-2GB) 電源を切ると内容が消える
    FDD 遅い 大変小さい(1.2MB-1.4MB) 簡単に持ち運べる
    HDD 速い 非常に大きい(数G-400GB) パソコンからの取り外し不可
    CD-ROM/
    DVD-ROM
    速い 大きい(640MB-4.7GB) 簡単に持ち運べる


  5. ハイバネーション機能(休止状態)

    Windowsの休止状態を実現している機能です。
    最近では、パソコンを使っているときに、電源ボタンを押すと、この休止状態になり、短時間で電源が切れます。
    これは、メモリの内容をすべて、HDDにそのままコピーすることにより、完全に電源を切れる状態にする機能です。

    次回に電源を入れたときには、HDDに書いた情報をそのままメモリに再びコピーして、戻すだけなので、普通に電源を入れたときに比べてすばやく、パソコンを起動できます。
    著者も電車でノートパソコンを使って編集をして目的の駅に着いたら電源を切るという使い方を良くします。

    この休止状態の機能は、このメモリとHDDのそれぞれの特性を組み合わせて初めてできるようになったことなのです。



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