コラム「光デジタルケーブルで5.1ch!DVDの音声を完全に楽しむには」で
光デジタルケーブルを取り上げましたが、実際に音を鳴らすのはアンプであり、
スピーカであるわけです。
アンプは音質の調整や音量調整、入力ソースの切り替えを行うプリアンプ、
実際に信号を増幅してスピーカに信号を伝えるパワー(メイン)アンプがあります。
昨今のトレンドでは、超高級機を除いて、プリアンプとパワーアンプの機能を
兼ね備えたプリメインアンプが主流です。
その中でも、5.1ch以上のマルチチャンネル信号を扱え、ビデオ信号のセレクタ
機能を備えたものをAV(Audio Visual)アンプと呼びます。
DVDの急速な普及によって、ソフトウェアにはマルチチャンネルの音声信号が
記録されていますが、DVDプレーヤー単体ではマルチチャンネルの音声は再生
できません。※一部例外はあります。
そこで活躍するのがAVアンプなのです。5.1chの音声が記録されているDVDの場合、
普通「ドルビーデジタル」という圧縮方式で圧縮された信号で記録されています。
DVDプレーヤー単体でテレビと繋いで音を出す場合、DVDプレーヤーの中ではこの
「ドルビーデジタル」で圧縮された信号を5.1chに展開して、さらにそれを2ch
の信号に重ね合わせて(これをダウンミックスといいます)テレビに出力しています。
AVアンプの中には「ドルビーデジタル」を展開する回路が内蔵されています。
DVDプレーヤーを光デジタルケーブルで接続した場合、「ドルビーデジタル」で
圧縮された音声信号が圧縮されたままAVアンプに流れます。AVアンプの内部
でその圧縮信号を5.1chに展開して、5.1chのままサブウーファーを含めた6本の
スピーカーに音声信号を伝達します。
つまり、DVDプレーヤーには、2ch分のプリアンプしか無いために2chにダウン
ミックスしてテレビ(これがパワーアンプを兼ねます)に接続するので、2ch
の音声しか再生できませんでしたが、AVアンプには5.1ch分のプリアンプと
パワーアンプが内蔵されているため、5.1chの音声が再生できるのです。
これまで「AVアンプ」と呼称してきたこのカテゴリーのアンプですが、この度
ソニーから発表されたTA-DB990、TA-DB790、TA-DE590では、「マルチチャンネル
プリメインアンプ」と呼び名を変えています。
これは、これまで、5.1ch以上のマルチチャンネルは映画などの映像を伴った
ソフトウェアを再生する際にしか用いられることが少なかったのですが、これ
からはSACD(Super Audio CD)やDVD-Audioなどの新世代のピュアオーディオ
(音声のみ)ソースでマルチチャンネルを扱う機会が増えているからです。
これまで、一般的にAVアンプをピュアオーディオで使用する場合、どうしても
ピュアオーディオ専門のプリメインアンプに性能的に適わないとされるのが
一般的でした。しかし、「マルチチャンネルプリメインアンプ」と銘打った
これらの商品では、ピュアオーディオを扱う場合でも実力を発揮できるように
さまざまな工夫がなされています。
TA-DB990、TA-DB790の上位2機種では「XGROUND方式」と呼ばれるグラウンド
(電気が流れ込むところ)方式を採用しています。従来のAVアンプではプリ
アンプ部とパワーアンプ部のグラウンドを共通に取っていましたが、これを
独立させることによって、パワーアンプの動作性能を向上させ、音の立ち上がり
を良くさせています。
AVアンプはさまざまな音の補正や、圧縮された信号を展開するためにデジタル
回路を積んでいますが、デジタル回路は実際に音声を鳴らすアナログ回路に
ノイズを載せる雑音源になってしまいます。そこで、実際に稼動していない
デジタル回路の電源をカットすることでノイズを低減する機能も持っています。
これらのピュアオーディオでの音質の向上のほかに、DVDで一般的な「ドルビー
デジタル」だけでなく、BSデジタルで用いられる「MPEG-2
AAC」、高品質なDVD
で用いられている「DTS」、さらには最新のフォーマットである「DTS
96/24」
にも対応してます。デジタル音声信号なら扱えないものはほとんどないと言っ
ても過言ではありません。
プラズマなどの大画面のテレビとDVDプレーヤーを買って安心していませんか?
BSデジタルのサラウンドを再生するのにも必要ですし、もはやDVDを観るのに
必須とも言えるAVアンプの機能にピュアオーディオも高品位に再生できる実力
を持った「マルチチャンネルプリメインアンプ」はAV好きのあなたなら「買い」
ですよね?
※SACDプレーヤー、DVD-Audioプレーヤーなどのプレーヤーは別売りです。
※スピーカは別売りです。
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