ソニーから新しい圧縮技術MPEG4を採用したソニーサイバーショットDSC-M1が登場しました。
画像形式や動画形式と聞きなれない方には次々に新開発される「形式」に頭を悩ませている方もいるかと思います。動画だけでも多数ある形式ですが、今回は今最も注目されるMPEG4を焦点に絞ってみました。MPEGとは動画圧縮形式のひとつになります。
動画圧縮技術と必要性
例えばソニーサイバーショットDSC-M1では1秒間に30コマ切り替わることが可能なのでとても美しく再生が可能になりました。つまり、動画の場合ではたった1/30秒間=0.03秒のために1/30ごとに数百万画素というのはは人間の目では識別不可能な容量と言えます。では次に大切なことはできるだけ長い時間の撮影が欲しくなるところです。そこで人の目には解らない程度の画質におさえ、いかに効率良く省略して節約された分は長時間撮影できるようにすると言った動画圧縮技術が必要といえるのです。MPEG4ではMPEG1、MPEG2をさらに進化したものとなります。
MPEG4の圧縮技術
画像の圧縮手法を紹介します。まず動く映像として処理されるためには複数の静止画像がコマ送りで次々と入れ替わることになります。MPEG4で撮影された動画は、それぞれの静止画像を画素単位で透過度0〜255までの数値化として認識させます。色のない透明の画像を「ない(透過)=0」とし省略されます。「ある(なんらかの色がある)」場合には最大255という数値(符号化)として記録されることとなるわけです。数値化する面積が多ければそれだけ情報量も多くなります、ただし数値化する面積が少なくなると情報量も少ないため透明か、単純比較した場合は荒い動画と言えるでしょう。MPEG4では最適な情報量でありながら最小限の容量にした技術になります。
この最小の情報量で最適な容量にした技術とは、周囲の画素と比較検証し、画素ごとに2極化(2値形状符号化)した周囲の画素と比較検証することでひとかたまりの物体として他の物体やまた別の物体というように比較的少量の計算にすることができます。それらのかたまりを物体として「オブジェクト」といいますが、オブジェクトの性質によって静止画像、アニメーション、その他MPEG4の持つ複数の処理方法の中から適正な記録方法を抽出し何度も同じ計算処理されることを省き、個々の物体に合わせた比較的に少量の情報量に記録されています。これを「オブジェクト符号化方式」といいます。
さらにオブジェクトとして識別された一定のかたまりは通常は16×16画素、最大では8×8画素の細かさごとにまとめてしまい「オブジェクトの変化量」を推測させりことを実現しています。個々のオブジェクトにおいて時間的な変化量を分析されているわけなのです。
ただ単におおざっぱなオブジェクトごとに処理されてしまうと、どうしてもオブジェクトとオブジェクト(例えば、動く赤ちゃんと静止しているベビーベッドなど)とのオブジェクトの境目に著しい画像の乱れが発生してしまいます。MPEG4の技術では、この時にオブジェクトの境目(周囲±16画素)ではオブジェクトごとの動きを予測し平均化することや時系列に沿った変化の確率計算や画素のベクトル(力の方向)計算をし平均値や自然な風合いになるよう調整されています。
これを「動き検出、動き補償」といいます。動きの検出と補償を具体的にいうならば画素のあるなしの2極化が激しい変化の場合、数値化される0〜255までの値のうちで平均値(真ん中の数値になります)である128の番号があてられることになるのです。ずっと128の色であったり一定のスピードで繰り返される場合には予測計算量が軽減され変化量が少ないのでずっと128の色情報のみの少ない情報容量ですみます。
このMPEG4の動画圧縮技術や動き検出、動き補償技術は非常に優れていて、中でも最も注目すべきは再加工するにあたりオブジェクト単位で処理されているということは合成などの処理にも非常に都合良いことを示しているといえるのです。
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