新しくパソコンを買う時に一番気にするパーツはなんですか?
頭の良さである「CPU」?保存できるデータの量が変わる「HDD/SSD」?
「メモリー」は「よくわからないからそのままでいいか・・・」という方も多いのではないでしょうか?
標準では「4GB」だったり「8GB」だったりするメモリーの容量、ズバリ言うならば"8GBでは後悔する可能性が高いです!"
オススメのメモリー容量は「16GB」です!!動画編集や写真の現像などを行う方には「32GB」がオススメです。
とはいえ「16GBがオススメです」と今言っても「本当にそうなのか?コストをかける必要があるのか?」と思うのも当然ですので実際にその理由を検証していきたいと思います。
この記事の目次
メモリーの役割って?
わかりやすくパソコンを構成するパーツを説明する時のたとえ話に"作業する人と机と引き出し"という説明の仕方があります。
「作業する人」=CPU
「作業する机の広さ」=メモリー
「作業する素材が入る引き出し」=ストレージ(HDD/SSD)
絶対的な速度は 「作業する人=CPU」の性能で決まります。
ですが作業するための机が小さいとその性能を活かしきれません。
本当は机いっぱいに広げて作業しても余裕でこなせるのに机が小さいので同時に作業できる量が少なくなってしまいその性能を活かすことができなくなってしまいます。
机の上(メモリー)がいっぱいになってしまうと作業ができなくなってしまうので、一度引き出し(ストレージ)にしまって、出してを繰り返さなければいけなくなってしまいます。
この時に机と引き出しの間のデータの出し入れがパソコンの速度低下を生む一番の原因です。
ちなみに、メモリー上から溢れてストレージに追いやられてしまったデーターのことを「ページファイル」と言います。
CPUの性能が向上し、一般ユーザーの使う作業内容では性能不足になることはほぼなくなったのでよりメモリー不足による速度低下が起こりやすくなっているという一面もあったりします。
実際にはどのくらい使用している?
実際に普段使いを想定してメモリーの使用量を測定してみました。
測定するにあたって想定したシチュエーションは
「オフィス系ソフト使用時」「Youtube,Netflixなどの動画視聴」「動画編集時」の3つです。
測定に使用マシンは「VAIO S15(2019)」
簡単なスペックは
CPU intel core i7 -8750H
メモリー 32GB
ストレージ PCIeSSD 512GB
となっています。
※ 実際に使うメモリーの量は同じスペックのPCでもインストールしているソフトや、windows側でのメモリー使用量などで上下します。あくまでも参考値としてお考え下さい。
1. オフィスソフト使用時
使用量 6.9GB
使用していた主なアプリケーション
- 「Microsoft Word」
- 「Microsoft Excel」
白紙の文章&表をWordとExcelそれぞれで表示してみました。それほどの負荷ではありません。
2. Youtube&Netflixで動画視聴
使用量 9.5GB
使用していた主なアプリケーション
- 「Google chrome(YoutubeとNetflix動画再生)」
Google chrome上でフルHD(1080)の動画を同時に再生してみました。日常の使用方法の中ではメモリを多く使う作業だと思います。
3. 動画編集時
使用量 11.8GB
使用していた主なアプリケーション
- 「Adobe Premire Pro 2020」
Premier Proで編集済みのプロジェクトを開いてみました。プレビューにメモリーを使うので予想通り使用されていたメモリーの量は大きかったです。
まとめ
メモリー使用量 | |
Word&Excel | 6.9GB |
動画視聴 | 9.5GB |
動画編集 | 11.8GB |
このような結果となりました。やはり動画編集はメモリー消費量が多いですね。
実験時はパソコン起動直後ではなかったので不要なプロセスが溜まっていて少し多くメモリーを使用していた可能性は高いです。
それを考慮したとしてもこう思った方もいるかもしれません。
「動画編集時はともかくオフィスソフトだけでこんなにメモリーを消費するわけないでしょ!!ウチのパソコンはこんなにはならないぞ!!」
と。。。
多くメモリーを消費していることにはちゃんとした理由があるんです。そしてその理由こそが大容量のメモリーを搭載したほうがいい理由なんです!!
大容量メモリーを最初から搭載したほうがいいワケ
メモリーの"前借り"で速度アップ
さきほど試した実験で出た多くのメモリー消費の理由の一つがこのメモリーの"前借り"機能「SysMain(SuperFetch)」というWindowsの機能です。
どのような機能か簡単に言うと「事前にユーザーがよく使うアプリケーションを予測し、余っているメモリーを使用して事前にスタンバイしておく」機能です。
ですので「搭載されているメモリーの総量が多ければ多いほどSysMainに使われるメモリーの量は増える」というワケです。
実験に使用したパソコンのメモリー総量は32GBでした。
なのでシステム側でかなり余裕をもってメモリーを大量に使っていたというワケなんです。
この機能により実際に使えるメモリーの量が減ることはありません。足りなくなるとシステム側で判断した場合即時に確保されていたメモリーは開放されるので安心して下さい。
実はこの機能賛否両論というか機能自体に対する批判的な意見もあったりするのですが、私個人としては使ったほうが良い機能だと思っています。
なぜ、批判されているかというと事前読み込みする以上頻繁にSSDやHDDとのアクセスをするのでその分CPUを使用したり、わずかではあるんですが読み込みをすることでストレージに負担がかかると言われています。
そして、メモリーの総量が少ないパソコンだと状況によっては逆効果になることもあるそうです。
ですが、現世代のCPUは日常用途では最低ランクのものであっても十分過ぎるほどの性能をもっており、この程度の負荷では特に支障になることはほとんどありません。
メモリーの搭載量に限って言えば、初期状態においては現在でも小さめ(4GB,8GB)に設定されていることが多く特に気にせず値段だけを見て選択してしまうと少ない容量のメモリーに苦しむ可能性があります。
メモリーの増設はできない!?
メモリーの増設といえばデスクトップパソコンでは定番のカスタムで今現在でも気軽に増設することができます。(保証が無くなる可能性もありますのでご注意下さい)
ノートパソコンであってもメモリーはユーザー側で差し替えできるような作りになっているものが多くありました。
ですが最近のパソコンは小型化が進み、ユーザー側でのメモリーの増設はできないものが一般的になっているのが現状です。
"増設することができない"ということはそのパソコンの行く末を見据えて購入時に余裕をもった装備を与えてあげるということが非常に重要となってきます。
だんだんと使用するメモリーの量は増える!?
パソコンを何年も使っていくうちにだんだんと使用するメモリーの量は増えていく可能性が非常に高いです。
年を重ねるごとに年々新しく出るパソコンの性能は上がっていきますよね?
それに合わせるように使うソフトやウェブサイトはだんだん豪華になり、よりハイスペックな最近のパソコンに合わせた作りになっていきます。
つまり、新しいソフトはメモリーの量も多く使うように設計されている可能性は高いです。同じようにWindowsのアップデートによってもだんだんと重くなります。
一つ前で「増設はできない」ということをお話しましたが、そのことも合わせると「最初から大きめのメモリーを搭載している方が良い」ということになります。
まとめ
大容量メモリーを勧める理由を一言で言うならば「今メモリーの量をケチったことによって後に後悔してほしくない」ということです。
「VAIO S15」を例にとるならば16GBメモリーのカスタムは[+ 24,000円]
これは決して安い金額とは言えません。
でも、このカスタムのおかげで長く使えるのならば安いと思いませんか?
5年使うとするならば一日あたりの金額はたったの約13円
パソコンの前で毎回待つ時間を減らせるのであればかなり効率の良い投資だと思います。これが仕事で使うパソコンであればなおさらですよね。
また「メモリーの使用量は100%にならなければ良い」というわけではありません。
メモリー使用率が90%を超えるとパフォーマンスは低下します。
そして一番性能の発揮できる使用量は50%前後と言われているので普段使いでは50%以下、フルロードでも90%以下になるようにするのがベストと言えるでしょう。
後で増やすことができないメモリーであるならなおさら初期投資が全てです。一度オーダーする前にメモリーの増設カスタムを検討してみてはいかがでしょうか?